Imagine another life through the products世界を変えるデザイン展
Poster
Flyer, ticket, Invitation
Banner @Design HUB
Visualization @Design HUB
Pictgram, Caption @Design HUB
@Axis Gallery
Credit
世界を変えるデザイン展
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クライアント:
世界を変えるデザイン展実行委員会
日本財団
特定非営利活動法人CANPANセンター
東京ミッドタウン・デザインハブ
アクシスギャラリー
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空間デザイン:
芦沢啓治
橋本潤
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アートディレクション、デザイン:
中野豪雄
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デザイン:
鈴木直子
河原健人(ピクトグラムデザイン、キャプションデザイン)
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写真:
尾鷲陽介
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2010. May
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平均収入1日2ドル未満の生活圏に住む人々のために作られた、プロダクトデザインやデザインプロジェクトを紹介する展覧会「世界を変えるデザイン展」のトータルグラフィック。
デザインハブ会場では、貧困層の人々の助けとなったプロダクト80点が展示され、アクシス会場ではプロダクト開発に至るプロジェクトの詳細やプロセスが展示された。
本展が開催された2010年はコミュニティデザインやインクルーシブデザインなど、デザインの対象となる人々を再定義していく思想が注目された時代でもあり、貧困層の人々へのデザインという文脈への問いを企画化した展覧会は、国内では初となる試みだった。そのため誤解が生じることも危惧され、特にプロダクト開発の取り組みがビジネスの視点だけで捉えらてしまうことや、感情的な扇動が目的として見られてしまうことへの懸念もあった。
これらの状況を踏まえながら考案したメインヴィジュアルは、下肢切断者が仕事を得て経済的自立を促すことを成功させた義足「Jaipur foot」を主軸とし、フライヤーやDM、会場サインではその他様々なプロダクトを提示した。さらに本展に出展が予定された80点のプロダクトがどのような課題解決を目指したかを8つのカテゴリーに分類し、そのアイコンを重ねて、写真のプロダクトがどのアイコンに該当するかを表示した。「Jaipur foot」をポスターのヴィジュアルに採用したのは、本展が扱う社会課題とそれに直面する人々に対しての最終的な解決が「自立」であることを暗示させるためである。タイトルの「世界を変えるデザイン」の「世界」とは、世界地図を眺めるような視点ではなく、社会課題に直面し、厳しい生活を余儀なくされている貧困層の人々それぞれの「世界」を意味している。つまり、最終的には個人の自立によって自身の世界観や価値観が変容し、それぞれが自発的に、より豊かな生活を目指していくことが最終的な社会課題の解決につながることをメッセージとして込めた。一方でフライヤーやDMで用いたその他のプロダクトは8つのカテゴリーを意識したプロダクトを採用している。感情的な印象を与えてしまうような操作をしないことを意識したデザインとし、冷静かつ客観的に本展が企画されていることを踏まえて制作した。
デザインハブのエントランス12mの壁面では、その当時に世界中の国々がどの社会課題をどの程度抱えているかを示したダイアグラムを制作。展示されたプロダクトデザインの機能に触れる前に、社会課題がいかに複雑で理解が困難なものかを問いかけることにした。このダイアグラムは来場者にとって社会課題を理解するうえでの指標となり、多くの来場者が壁面の前で立ち止まり積極的に読み解く状況を生みだすことができた。
また、デザインハブ会場に展示されたすべてのプロダクトのキャプションでは、「課題」「機能」「解決」の3段階でプロダクトデザインの特徴を理解できるピクトグラムを独自に開発し(100種類以上)、掲示している。
アクシスギャラリー会場ではデザイン開発に至る企業や大学の取り組みをテキストを中心に制作。限られた会場スペース内で膨大なテキスト群を来場者がストレスなく読めるように配慮していった。テキストの中でキーワードに相当する言葉を大きくし、全文を頭にいれずともプロジェクトの概要が掴め、観覧後も印象に残ったキーワードを手がかりに来場者が主体的に社会課題とその解決方法について思考を巡らせることができることも意図している。
Imagine another life through the products
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Client:
Design to Change the World ExcutibeCommittie
The Nippon Foundation
Canpan
Tokyo Midtown Design HUB
AXIS GALLERY
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Space Design:
Keiji Ashizawa
Jun Hashimoto
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Art Direction,Design:
Takeo Nakano
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Design:
Naoko Suzuki
Taketo Kawahara (Pictgram Design, Caption Design)
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Photography:
Yosuke Owashi
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2010. May