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「殿敷侃:逆流の生まれるところ」開催

2017.02.09

広島市現代美術館にて企画展「殿敷侃:逆流の生まれるところ」が開催されます。
被爆体験に向き合い、消費社会や環境破壊へと向かう社会への問題意識に基づいた
様々な作品群を紹介する展覧会です。

ぜひごらんください。

→展覧会 Website

殿敷侃:逆流の生まれるところ
2017年3月18日(土)~5月21日(日)

広島出身の作家、殿敷侃(とのしき・ただし1942-1992)は29歳で画家を志し、
本格的な制作を開始しました。70年代からは生活と創作の拠点を山口県の長門市に移し、
両親と自身の被爆体験に向き合い緻密な点描による絵画・版画作品を制作します。
その後80年代に入ると、シルクスクリーンの実験的制作や、
インスタレーション的な提示方法を通して作風を大きく展開させます。
また80年代半ばからは、廃棄物や漂流物を素材としたダイナミックなインスタレーションを多数実現させ、
それらが現代の消費社会や環境破壊へと向けられた問題意識に基づく創作として高い評価をうけ、
国内外の展覧会での発表を重ねていきます。
そして、今後のさらなる活躍が期待されるなか、 50歳にしてこの世を去りました。
近年、殿敷の創作が社会的なテーマへの取り組みや、
地域住民との協働による制作といった観点から再評価されるなか、
本展では没後25年を迎える広島ゆかりの作家として、その活動を包括的に振り返ります。
30年足らずの間に目まぐるしく作風を変え、多様な展開を遂げたその変遷をたどり、
また一時的なインスタレーションとして実作品が残されていない晩年の活動については
記録や関連資料を紹介しながら、殿敷侃という作家の全貌に迫ります。
「逆流」とは、晩年の殿敷が自身の制作に対して用いた言葉で、忘れられた記憶や、
脇に追いやられた存在が、強引に人びとの意識の上に現れる様を意味しています。
殿敷が引き起こした逆流とは、彼が何に苦悩し、何に抗い、何を引き受けて生み出されたものなのか、
そして、彼の残した足跡が私たちにどのような逆流を引き起こし得るのか。
本展はその問いに答えるためのヒントとなるはずです。

会期:2017年3月18日(土)~5月21日(日)
開館時間:10:00~17:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(ただし3月20日は開館)、3月21日(火)
観覧料:
一般1,030(820)円、
大学生720(620)円、
高校生・65歳以上510(410)円、
中学生以下無料
※( )内は前売り及び30名以上の団体料金
※5月5日(こどもの日)は高校生以下無料 前売り券の取り扱い場所一覧

主催:広島市現代美術館、中国新聞社
後援:広島県、広島市教育委員会、広島エフエム放送、尾道エフエム放送

関連プログラム

2017年4月8日(土)14:00~15:30
講演会

伝統の中から革新的な表現を展開し、
陶芸の新しい地平を切り開いてきた十二代 三輪休雪氏。
殿敷侃との親交を通じて垣間見た、作家としての姿勢について語ります。

講師:十二代 三輪休雪氏(陶芸作家)
会場:地下1階ミュージアムスタジオ
*要展覧会チケット(半券可)、事前申込不要
*モカパス会員は優先参加が可能です。モカパス

2017年4月29日(土)14:00~15:30
講演会

ドイツ思想の研究とともにヒロシマについての思考を重ねている研究者が、
殿敷侃の芸術を、 現代芸術の展開のなかで、
かつ今の問題としてヒロシマを考えさせる力において見直す可能性を探ります。

講師:柿木伸之氏(広島市立大学准教授・哲学、美学)
会場:地下1階ミュージアムスタジオ
*要展覧会チケット(半券可)、事前申込不要
*モカパス会員は優先参加が可能です。モカパス

2017年4月23日(日)13:30~17:00
ワークショップ「シルクスクリーンを体験してみよう」

殿敷侃の作品制作を手がけたプリンター・斉藤伸三氏を講師に、
シルクスクリーン版画を体験するワークショップです。
美術館が用意した版をつかって、図柄を鏡に転写します。

講師:斉藤伸三氏(スクリーン印刷・殿敷侃制作協力者)
定員:20名/参加無料
*要事前申込、申込多数の場合は抽選
*モカパス会員は優先参加が可能です。モカパス

[申込方法]
下記フォーム、または往復はがきで、参加希望者の氏名(1通につき2名まで)、
年齢、保護者のお名前(中学生未満の場合のみ)、
住所、電話番号を明記の上、お申込みください。
往復はがき宛先:
〒732-0815 広島市南区比治山公園1-1
広島市現代美術館「殿敷侃展ワークショップ」係
締切:4月9日(日)必着

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